よく見かけるインサイトの概念図(下)ですが、そもそもなぜインサイトが重要なのでしょうか。消費者行動における生活者の欲求は主に2つに分けることができます。ひとつは、消費行動の対象となるカテゴリーなどに備わっている必要がある基本ニーズ。この基本ニーズは行動や意識の表面に出やすい性質があり(顕在)、例えば消費者アンケート調査などでも確認できたりします。もうひとつが、表面には出にくい(潜在)性質のインサイトです。インサイトは、生活者自身が気づかなかったり無意識に対象への欲求を制限してしまっている(≒諦めている)、基本ニーズでは充たされることのない部分です。後に、コンセプトを開発したり、有効なブランディングを展開するうえで、それぞれがどのような性質をもっているのか理解しておくことが大切です。

スレてないから押されるとココロが緩む?
基本ニーズへの対応は、とくに成熟したカテゴリーではどうしてもほとんど差がない状況になります。そのような競争市場の中では生活者は自ずと学習して価格や仕様などから合理的な行動をとります。またときには防衛的(がちがち)な気持ちになります。ですので、この基本ニーズへの対応ばかりを考えると差異化は難しく価格の高低が生活者の判断基準になってしまいます。一方、インサイトは、生活者自身も気づいていないようなこと、いままで充たされることのなかったこと、に対して大きな価値を感じます。また、比較したり参照するものがない(スレていない)ので合理的な行動はとりにくく、価値を感じるものに対してときに非防衛的(ぷよぷよ)になります。